夕方近く、シャルル・ド・ゴール空港に到着。
到着ロビーのざわめきと空気感が、「ああ、フランスに来たんだ」とじんわり実感させてくれます。

今回の買い付け旅は家族4人での滞在。宿泊費を少しでも抑えたくて、パリ中心部から少し離れたイル=ド=フランス地域のアパートを借りました。
パリ中心部までは少し距離があるけれど、そのぶん日常に近い空気が流れていて、私はこういう場所がけっこう好きだったりします。


アパートは、広さは控えめながらもベッドルームとリビング、キッチンダイニング付きで、家族で過ごすには十分。
ベッドはふたつ。必然的に、夫はソファ泊。本人は「意外と快適」と言っていたけれど、どうだったのでしょう(笑)。
ベッドルームには「これ、欲しい……」と思わずつぶやいたくらい、好みの家具が置いてありました。

現代的な内装の中に、ぽつんと置かれた古いキャビネットやミラー。
それらは飾りではなく、日々の暮らしの中で今も当たり前のように使われているものでした。
アンティークに囲まれて仕事をしているはずなのに、こうして生活に溶け込んでいる姿を見ると、やっぱり少し心が動きます。
選ばれて、大切にされて、生き続けているものたち。
……アンティークは、飾られるためのものではなく、使われて生きていくもの。
そのことを改めて感じさせてくれる部屋でした。
そして、気持ちは自然と、明日からの買い付けへ。
日が長い季節。20時前でもまだ明るくて、子供たちは「時間がバグってるみたい」とキョロキョロ。
長旅の疲れもあって、この日は荷解きを軽く済ませ、斜め前のスーパーで必要なものを買って、簡単に夕飯を済ませて明日に備えます。