腹ごしらえを終えて、午後の買い付けへ。まず目に飛び込んできたのは、街の中心にそびえるルーアン大聖堂。目の前に立つと、その壮大さに言葉を失います。



印象派の巨匠・モネが何度も描いたことで知られていますが、実際に見ると、その理由が少しだけ分かるような気がします。いや簡単には分かるわけないか。
この大聖堂の建築は1145年に始まり、完成はおよそ400年後の1544年。基礎部分、正面のファサード、塔の意匠。それぞれの時代のゴシック様式が重なり合い、まるで時間そのものが積み重なってできた建築のよう。
その歴史を思うと、外から眺めるだけでも十分に圧倒されます。
正面には、学校の郊外授業で訪れた子どもたちがたくさん。私たちも短い滞在なので中には入らず、外から静かに眺めます。
そして、向かいにある建物。


そこは、かつてモネがアトリエとして使っていた場所で、今は観光案内所になっているのだそう。こんな観光案内所、歴史そのものが語り掛けてくるようです。

目的のアンティークショップへ向かう途中も、気になる建物ばかりでなかなか前に進めません。
でもそれでいい。
この街の空気と景色を、子どもたちの目にも焼き付けてほしい。そう思いながら、石畳の通りをゆっくり進みます。

道の両側にはカフェやブティックが並び、通り全体が生き生きとした雰囲気。

通りを抜けるところにかわいい小さなメリーゴーラウンド。
そしてこのヴュー・マルシェ広場に姿を現すのが、ジャンヌ・ダルク教会。(メリーゴーラウンドの後ろに見える建物がそれ)
フランスの象徴とも言える彼女が、このルーアンの地で処刑されたのが1431年。その場所に建てられたこの教会は、意外にも1979年完成と新しく、現代的なフォルムが周囲の古い街並みと対照的です。
ほんの数百メートルの間に、何世紀もの歴史と、さまざまな人の物語が詰まっている。
そんな不思議な感覚を抱きながら、午後の買い付けの街歩きはまだ続きます。
